ポルカドットDAO、DOT供給上限を21億枚に制限するハードキャップ提案を可決

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

L1ブロックチェーン「Polkadot(ポルカドット)」は14日、「Polkadot DAO(ポルカドットDAO)」がネイティブトークン「DOT」の供給上限を21億枚に制限する提案を可決したと発表した。これまで供給量が制限されていなかったDOTに対して、今回の提案可決は長期的な価格成長を後押しする一要因となる可能性がある。

2年ごとの段階的な発行量削減も計画

ポルカドットによると、DOTの総供給量は約16億枚で、毎年1億2,000万枚が新たに発行(ミント)されているという。無制限の供給モデルは大規模な市場流通を後押ししてきたとみられているものの、このモデルが持続すれば将来的なインフレとトークン価値の希薄化につながるのではないかとの懸念がなされていた。

これを受けてポルカドットDAOは、「Ref.1710(Referendum 1710)」と呼ばれる提案を支持。「Wish For Change」というトラックを通じて、81%もの高い賛成率を得て提案の可決に至った。

新たな供給モデルでは総供給量を21億枚に制限するだけでなく、発行スケジュールも見直された。具体的には、新規発行されるDOT量を2年ごとに段階的に減らしていくというものだ。この調整により、2040年時点での供給量は従来モデルが約34億枚に対して、提案モデルでは約19.1億枚にまで大幅に抑制される見込みとなっている。

供給量の上限設定は、トークン希少価値や予測可能性の向上、長期的なエコシステム成長の後押しといった恩恵が期待できる。ビットコインなど発行上限を持つ暗号資産(仮想通貨)がこれまで支持されてきたことを踏まえると、今回のポルカドットの決定はコミュニティにとって大きな意味を持つと言えるだろう。

しかし、市場は即座に好感を示したわけではない。発表当日のDOT価格は前日比3.92%の下落を見せた。テクニカル的には4.6ドルゾーンが強固なレジスタンスとして意識されており、上値が重い状況が続いている。このまま下落基調が続くのか、それとも押し目買いを受けて再び上昇に転じるのかに注目が集まっている状況だ。

DOTの価格チャート
出典:TradingView

ビットコインをはじめとする複数の成功事例があるだけに、今回のハードキャップ提案はポルカドットの中長期的な信頼性を高める一歩となるだろう。今回の決定が長期的に価格動向へどのような影響を与えていくのか、さらにはエコシステムにとってもポジティブな影響が波及するのか。今後のポルカドットの動向に注目していきたい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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