米暗号資産(仮想通貨)取引所の「Coinbase(コインベース)」は27日、世界的金融機関の「Citi(シティ)」と提携し、デジタル資産とステーブルコインを活用した新たな決済インフラの開発に着手すると発表した。
94市場を網羅するシティのネットワークとコインベースの技術が融合
目的は、シティの顧客がデジタル資産やステーブルコインを活用して、より簡単に資金を移動・決済できるようにすることにある。
両社は、ブロックチェーン上での取引や法定通貨とデジタル資産の相互変換を円滑に行えるようにすることで、決済や資金管理、金融インフラの効率化を目指す。
コインベースが長年培ってきた暗号資産インフラと、シティが展開する94市場・300以上の決済クリアリングシステムを組み合わせることで、グローバルに対応する次世代型決済ネットワークの構築を目指す。
今回の協業では、法定通貨と暗号資産をつなぐ「オンランプ」と「オフランプ」の改善に重点を置く。これらはデジタル資産を金融システムに統合するための基盤となるもので、両社はこれらの仕組みをより高速かつ信頼性の高い、24時間稼働可能な形に進化させる方法を模索している。
コインベースは、この取り組みを「デジタル資産を世界経済の中で信頼される存在にする」という自社の広範なミッションの一環と位置づけている。同社はシティをはじめとする大手銀行、資産運用会社、決済事業者などと連携し、デジタル資産ソリューションを採用・拡大できるための金融インフラの構築を進めている。
なお、現時点では具体的なサービス内容や実装時期などの詳細は明かされていない。コインベースは「今後数か月のうちにこの取り組みについてさらに共有する」としており、詳細の発表が待たれる状況である。
今回の提携は、暗号資産と既存金融システムの融合を象徴する重要な一歩である。まだ詳細は不明だが、シティのようなメガバンクが動くことで、デジタル資産の信頼性と制度化が一段と進むだろう。個人投資家は「価格変動」だけでなく、「金融インフラの変化」が自分の資産運用や送金体験にどう影響するかを見据えることが求められる。
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