複数の著名な暗号資産(仮想通貨)アナリストが、ビットコイン価格が月末にかけてレンジ上限を試すだろうとの強気な見解を発表した。
月間変動幅は過去2年で最小、大きな動きの前兆か
著名アナリストのDaan Crypto Trades氏は22日、2025年9月のビットコインの月間価格変動幅が約10%に留まっており、「過去2年間で最も小さい月間値動き」であると指摘。同氏が共有したチャートによると、9月のビットコインは月間安値107,328ドル(約1,590万円)から月間高値117,938ドル(約1,747万円)の狭いレンジで推移している。
過去2年間の中で、今月が最も小さい値動きであることを踏まえ、Daan氏は現在の静かな市場が長く続く可能性は低いと見ている。「今月中に月間高値か安値のどちらかが更新される可能性は非常に高い」とし、現在の価格がレンジ上限に近いことから「現在の高値をブレイクするのが最も理にかなっている」との見解を示した。
短期的な清算水準は11万9,600ドル
一方で、アナリストのCrypNuevo氏は22日、最も重要な清算クラスター(liquidation cluster:ロスカットが集中する価格帯)が11万9,600ドル(約1,772万円)に形成されていると指摘した。同氏によると、この価格帯は12万3,600ドル(約1,831万円)まで続く「ロスカット注文が密集するエリア」の入り口となっているという。ビットコイン価格が現在より上昇してこの水準に達すると、多くの損切り注文が連鎖的に執行され、上昇を後押しする要因となる可能性があるとの見解だ。
また、CrypNuevo氏は、ビットコインが再びレンジ内に回帰したことから、セオリー通りレンジ上限を目指す展開を予測。下落した際の押し目買いポイントとして、上記に続く清算クラスターである11万4200ドル(約1,692万円)と、レンジ下限である11万2000ドル(約1,659万円)を挙げ、ロング(買い)戦略を重視する姿勢を明らかにしている。

両氏の見解は、いずれも月末に向けてビットコイン価格が上昇するというものになっている。ビットコイン価格がこのまま静かに終わるのか、価格上昇を始めるのか、その動向を注視したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.15円)