暗号資産(仮想通貨)のビットコインは9万1,000ドル台(28日午後12時時点)を推移中。12月FOMCにおける利下げ期待の高まりを受けて、27日に9万ドル台を回復してからは高値圏を維持している。

米市場は感謝祭(サンクスギビングデー)による休場。マーケット全体の流動性が低下しているが、先日の利下げ期待による米株高が牽引する形で、日経平均株価も大台となる5万円台をキープ。ビットコインも9万円を割り込むことなく9万ドルから9万2,000ドルでレンジ相場を形成している。
米市場が取引を開始する28日23時頃(日本時間)までは方向感が無い動きが継続すると思われる。特に値動きの材料となるファンダメンタルもないため、取引をする際はレンジ相場を維持しつつ、テクニカル分析をメインに戦略を組み立てるべきだろう。
欧州中央銀行(ECB)が10月理事会の議事要旨公表
ECBが27日に公表した10月理事会の議事要旨から、ECB当局者は利下げを急いでいないことが分かった。一部当局者は「リスクが顕在化しない限り、現在の良好な見通しは維持される可能性が高いため、利下げサイクルは終了した」と緩和終了の主張もあった。
当局者は上振れと下振れの双方向のリスクがあることに考慮したうえで、「現行の政策金利水準は、ショックに対応する上で十分に強固 と見なされるべきだ」と指摘。加えて「より多くの情報を得てから判断することの価値は引き続き高い」という見方を示している。
現在のマーケットの主役は「米12月利下げの賛否」であるが、上記の欧州のように、仮に12月に利下げを実施したとしても、米国の緩和的な施策がいつまで継続するのかという課題が投資家を悩ませることになりそうだ。
トランプ氏、今後数年間で米国の所得税を大幅に削減
トランプ米大統領は27日、輸入関税収入を理由に今後数年間で米国の所得税を「大幅に削減し、場合によっては完全カットする」と述べた。
トランプ氏は11月初旬に「(関税は米国に)数兆ドルの収益を生み出しており、まもなく37兆ドルという巨額の債務の返済に充てられる」「一人当たり少なくとも2,000ドル(高所得者を除く)の配当が、すべての人に支払われるだろう」とも発言している。
現時点での実現可能性は不明だが、実現すれば株式市場や暗号資産への資金流入が見込まれる。マーケットへの影響も少なくないため、単なる口約束にならないかどうかはトランプ氏だけでなく周辺の発言にも注目しておきたい。
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