暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームを運営するINXデジタル・カンパニーは10日、投資プラットフォームのリパブリックによる買収手続きが完了したと発表した。リパブリックはINXの全株式を取得し、INX株式は10日にCboeカナダ取引所から上場廃止となった。
INXトークン保有者に3,430万ドル分配
買収合意に基づき、INXの旧株主は1株当たり0.1328ドル(約20.5円)の現金と、条件付価値権利(CVR)1つを受け取る。各CVRは2026年12月11日に1株当たり0.1063ドル(約16.4円)の追加現金支払いを受ける権利を付与する。
INXトークンの取引は11日午前7時(米国東部時間)に一時停止され、すべての未決済注文がキャンセルされた。同時刻時点でINXトークンの記録保有者は、同社の現金準備金(キャッシュファンド)から按分配分を受ける権利を得る。配分は同時刻から72時間以内に開始され、現金準備金の総額は約3,430万ドル(約53億円)。トークン当たりの配分額は11日にINX公式サイトで発表される。INXは2020年にINXトークンの新規公開で8,400万ドル(約129億円)を調達していた。
INXの創業者兼CEOのシャイ・ダティカ氏は「リアルワールドアセットのトークン化に世界が目覚めている今、これ以上のタイミングはない」とコメント。リパブリックの共同創業者兼共同CEOのケンドリック・ニューエン氏は「統一された規制対応のグローバルなデジタル金融市場の構築に向けた重要な一歩」と述べた。
リパブリックはニューヨークに本社を置き、150カ国以上で約300万人のコミュニティを持つ。INXはSECやFINRAの監督下で規制対応済みのデジタル証券・暗号資産取引プラットフォームを提供している。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.18円)




