アメリカではトランプ大統領が就任し、仮想通貨支持者が大統領となったことで、仮想通貨市場が盛り上がりを見せ始めています。
アメリカだけではなく世界の各国でもビットコインを中心とした仮想通貨を国として保有すべきではないかという議論が巻き起こっています。仮想通貨の時代が到来しようとする中で、これまで世界の決済通貨である米ドルにどのような影響を与える可能性があるのかを考察します。
仮想通貨によるドル基軸通貨体制への挑戦
現在、世界の基軸通貨は米ドルです。海外との貿易において、また自国通貨の信用力が低い国において、米ドルは主要な商取引の通貨として広く利用されています。その信用力の高さから、米ドルは「世界どこでも信用力がある通貨」として理解されてきました。
しかし、新興国に目を移すと、銀行口座を保有できない個人も多く、そのため仮想通貨を使いスマートフォンで決済を行うという動きが進んでいる国も出てきているようです。
この流れというのは、「困ったら米ドルで取引すればいい」という従来の流れから、「困ったら仮想通貨で取引すればいい」というような流れに変化してきているとも言えるでしょう。
これはドル基軸通貨体制への挑戦とも言え、この流れが米ドルの長期的な需要の減退に繋がる恐れもあるでしょう。
アメリカの利上げとビットコインの関係性
では次に、アメリカが行っていた利上げとビットコインの関係性について解説します。
世界各国がインフレ抑制のために行っている利上げと、仮想通貨市場の動きにはどのような関係があるのでしょうか。
まず、政策金利の引き上げというものが何か簡単に整理します。
政策金利の引き上げは、各国の中央銀行が景気を調整するために行う金融政策であり、昨今インフレが進行したことから、利上げを行い景気をなんとか抑制させる動きを取っていました。
通常、利上げというのは景気がいい際に引き上げる「良い利上げ」が想像されるのですが、今回はインフレ退治のための「悪い利上げ」と捉えてもいいかもしれません。
そのため利上げを行うことにより、景気は後退する動きになり、株式市場から資金が逃げる動きになりやすいことから、ゴールドや仮想通貨のようなアセットクラスに資金が流入しやすい動きになります。
しかし現状のビットコイン市場を見ると、ビットコインは「リスクアセット」として、株高の時に連動して値上がりする動きになっているため、リスク回避的な投資家のフローが流入したというよりは、むしろリスクを取りにきた投資家のフローが発生したと言えるでしょう。
政策金利とビットコインの関係性というのは状況に応じて異なることから、綺麗な説明がしにくいなとも言える状況です。
しかしいずれにしてもビットコインは今後ポートフォリオに少しでも組み入れておくべき資産と考えられるため、購入を検討したほうがいいかもしれません。