世界最大のデリバティブ・証券取引所ネットワークを運営するシカゴ・オプション取引所(Cboe:シーボー)は9日、11月10日からCboe先物取引所(CFE)において、ビットコインとイーサリアムの「連続先物(Continuous futures)」取引を開始すると発表した。規制当局の審査を経て正式にローンチされる予定である。
従来の面倒な手続きを解消する新しい先物
連続先物とは、従来の先物取引の不便さを解消した革新的な仕組みである。通常の先物契約では、満期が近づくたびに新しい契約に「乗り換え(ロールオーバー)」する必要があった。これは投資家にとって手間がかかり、コストも発生する作業であった。
連続先物の特徴:
- 満期:10年の長期契約 → 頻繁な乗り換え作業が不要
- 価格連動:毎日自動調整 → ビットコイン・イーサリアムの実際の価格に常に連動
- 決済方法:現金決済 → 実際の暗号資産を受け渡しする必要がない
簡単に言えば、「一度契約すれば10年間そのまま保有でき、面倒な手続きなしに暗号資産(仮想通貨)の価格変動に投資できる商品」である。新商品は透明で再現可能な資金調達率方法論を使用し、日次現金調整を通じてリアルタイムのスポット市場価格に連動する。
海外で人気のパーペチュアル型を米国規制市場に導入
ラスベガスで開催されたHOODサミットで、Cboeのグローバルデリバティブ責任者キャサリン・クレイ氏は「パーペチュアル型先物は海外市場で強く支持されている。今回Cboeは、同様の利便性を米国規制下の先物取引所に提供し、米国のトレーダーが信頼できる透明で仲介された環境でこれらの商品にアクセスできるようにする」とコメントした。
同氏は「連続先物は機関投資家や既存のCFE顧客だけでなく、暗号資産デリバティブへのアクセスを求める拡大する個人投資家セグメントにもアピールすると期待している」と述べ、幅広い投資家層への訴求を強調した。
新商品は米国規制下での中央清算・仲介フレームワーク内で運営され、投資家に安全性と透明性を提供する。
教育コースも提供、清算機能の拡大も推進
新しいビットコイン・イーサリアム連続先物は、CFTC(米商品先物取引委員会)規制下のデリバティブ清算機関であるCboe Clear U.S.を通じて清算される。これにより、Cboeは堅牢なグローバルデリバティブ取引所・清算エコシステムの構築を目指す中で、清算能力をさらに拡大する方針だ。
投資家の理解促進のため、オプション・インスティテュートは10月30日と11月20日に連続先物に関する教育コースを開催予定で、一般への登録が開始されている。
今回のローンチは、主力商品のVIX先物をはじめ、株式ボラティリティ、デジタル資産、グローバル債券に基づく革新的商品を含むCFE商品スイートの成長と多様化への継続的なコミットメントの一環となる。Cboeの商品イノベーション・ロードマップの次段階として位置づけられている。
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