史上最大級190億ドル清算でBTC大調整──グラスノードが市場分析

shoko-koyama
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暗号資産(仮想通貨)市場は10月第2週に史上最大規模のレバレッジ解消を経験し、190億ドル以上のオープンインタレスト(未決済建玉)が消失したとブロックチェーン分析企業グラスノードが13日に発表したマーケットパルスレポートで明らかになった。先物ファンディングレート(資金調達率)は2022年弱気相場以来の水準まで急落し、市場ポジションの大幅なリセットが発生している。

レバレッジ解消で先物OI7.5%減、ファンディングレート半減

グラスノードの分析によると、急速なレバレッジ解消により広範な強制清算が発生し、先物オープンインタレストは487億ドルから451億ドルへ7.5%減少した。ロングサイドのファンディング支払いも290万ドルから140万ドルに51.8%急落し、レバレッジロングポジションへの需要減少を示している。

特に注目すべきは、パーペチュアルCVD(累積出来高デルタ)が11億ドルからマイナス18億ドルに転落したことで、これは統計的下限バンドを大きく下回る水準となっている。この急激な反転は激しい売り圧力とレバレッジトレーダーによる積極的な分配売りを示唆している。

RSI(相対力指数)も71.7から52.8まで低下し、過熱感が大幅に解消された状況を表している。

オプション市場では防御的ポジショニングが拡大

オプション市場では対照的な動きが見られ、オープンインタレストが12.9%増加して496億ドルに達した。25デルタスキューは4.82%から5.97%に23.78%上昇し、プットオプション(下落ヘッジ)への需要増加を反映している。

一方、ボラティリティスプレッドは39.11%から32.79%に16.15%減少し、市場の恐怖感がやや和らいでいることを示している。この動きは、投資家がリスク回避的な守りの体制を強めつつも、パニック的な状況は脱したことを表している。

ETF流入は堅調維持、オンチェーンは利益確定進む

ETF市場では純流入が29.9億ドルから35.2億ドルに増加し、取引量も281億ドルから343億ドルに拡大した。機関投資家や構造的資本の需要は今回の調整局面でも維持されている。

オンチェーンメトリクスでは、利益状態にあるコイン比率が98.1%から93.3%に4.9%減少し、未実現利益・損失比率は6.7%から3.8%に42.3%大幅減少した。実現利益・損失比率も3.3から1.7に半減し、大規模な利益確定と損失実現が進んだことを示している。

アクティブアドレス数は77.5万から74.0万に4.5%減少したものの、トランスファーボリュームは153億ドルに2.9%増加し、資本移動は活発に継続している。

市場は慎重なコンソリデーション局面に移行

グラスノードは今回の清算イベントについて「市場にとって重要だが必要なリセット」と評価している。過剰なレバレッジが排除され、投機的ポジションが減少し、短期センチメントが再調整された一方、より広範な市場構造は維持されているとしている。

現在市場は「慎重さを取り戻したコンソリデーション局面」に移行しており、リスクテイクは選択的で、スポット市場とデリバティブ市場の両方で徐々に信頼回復が進むと予想される。レバレッジ参加者は強制退場となったが、構造的資本と機関投資家の需要は表面下で維持されているという。

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仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
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