グーグルトレンドの最新データによると、「bitcoin」の検索関心度は過去5年間で大幅に低下していることが明らかになった。直近の検索関心度は、2021年5月に記録した歴史的ピーク時の約3割程度にとどまっている。
2021年5月の暴落時に検索関心がピーク

過去5年間(2020年11月~2025年10月)のグーグルトレンドデータを分析すると、検索関心度が最高値100を記録したのは2021年5月だった。この時期、ビットコイン市場では以下の重大イベントが重なり、価格が大幅に下落した:
- テスラによるビットコイン決済中止発表(5月13日)
 - 中国政府によるマイニング規制強化
 - 環境問題への懸念の高まり
 
これらの要因により、ビットコイン価格は4月の約6.4万ドルから急落し、5月には約3万ドル台まで下落。この急激な価格変動を受けて、「何が起きたのか」を確認しようとする検索行動が爆発的に増加し、検索関心度が最高値に達したと考えられる。

その後、2021年10月にも検索関心度が高値を記録したが、これは米国で初のビットコイン先物ETFが上場し、ビットコインが当時の史上最高値となる約6.8万ドルに達した時期と一致している。
直近1年間は関心低下が顕著に

直近12ヶ月間(2024年11月~2025年10月)のデータでは、2024年11月初旬に検索関心度が100に達した後、徐々に低下傾向を示している。2025年2月から6月にかけては30~50程度で推移し、夏場にやや回復したものの、再び低下に転じた。

過去90日間(2025年8月~10月)の詳細データを見ると、10月11日に検索関心度が100に急騰している。この日、トランプ大統領が11月1日から中国に対し100%の追加関税を課すと発表し、暗号資産市場で過去最大となる約190億ドル(約3兆円)の強制清算が発生。ビットコインは一時200万円幅を超える急落を記録した。この急激な暴落を受けて検索関心が急上昇したが、その後は急速に低下し、10月末時点では約30前後まで下落している。
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価格高騰と検索関心の乖離が示すもの
興味深いのは、ビットコイン価格と検索関心度の乖離だ。2025年10月、ビットコイン価格は米ドル建てで12万ドル、円建てで1,800万円台と史上最高値圏で推移している。しかし、グーグルトレンドの検索関心度は2021年5月のピーク時と比較して大幅に低い水準にとどまっている。
この現象は、暗号資産市場が成熟段階に入り、以下の変化が起きていることを示唆している:
- 投機的な個人投資家から機関投資家主導の市場へのシフト
 - ビットコインETFの普及によるアクセス容易化
 - 価格変動への慣れと関心の常態化
 
2025年10月のビットコイン月次リターンは-3.69%で、10月としては2018年以来7年ぶりのマイナスを記録した。歴史的に10月は「アップトーバー(Uptober)」と呼ばれ、価格上昇が期待される月だったが、このアノマリーが崩れたことも、検索関心の低下と無関係ではないだろう。
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検索関心の低下は、必ずしも市場の弱気化を意味するものではない。むしろ、ビットコインが投機対象から投資資産へと移行し、市場参加者の構造が変化している証左と見ることもできる。
					
							
			
                               
                             


		
		
		
		
								
								
								
								
								
		
		
		
		
								
		
		
		
		
		
		
		
		
		
		