10月を通じて市場不安の原因となっていた米中貿易対立が休戦となり、マーケットは全体的にリスクオンの動きが過熱。日経平均株価と米株式市場は共に高値圏を推移、為替相場も一時1ドル=154円台に乗せるなど、リスク資産である株式やドルが積極的に買われる展開が続いている。
一方で、同じリスク資産であるビットコインは低迷。31日に付けた安値を抜け、一時は106,000ドルを割り込んでおり、他のリスク資産に反して下落トレンドを継続している。

このまま下落トレンドが続けば、10月10日のトランプ米大統領による対中追加関税とソフトウエア輸出規制の発表を機に発生した下落で、同月17日に付けた103,500ドル台も見えてくる。
ビットコイン下落を招いた2つの要因
まず、ビットコイン低迷の原因となっているのが、FRB(米連邦準備理事会)による12月利下げの不透明感だ。
米国では政府機関の一部閉鎖により主要な経済指標の発表が滞っており、FRBのパウエル議長は、指標不足による経済の実態を巡る不透明感が払拭されなければ、10月が今年最後の利下げになるとの可能性を示唆した。
さらに、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が米国のインフレ率はFRBが目標とする2%を大きく上回っていると指摘し、追加利下げを急がない姿勢を示したほか、クックFRB理事も12月の会合では政策変更もあり得る「ライブ会合」になるとの見解を示すなど、利下げが順当と見られていた12月のFOMCが分からない状態となった。
2つ目に、仮想通貨取引所MEXCの大口アカウント凍結問題による不信感の拡大も、ビットコイン価格を下げる要因となった。
凍結問題を受けて、暗号資産市場全体でリスク懸念が広まり、リスク資産の中でも、好調を維持している株式市場に優先的に投資をする動きが強まったのではないかと推測される。
上記の問題を受けて、暗号資産市場とりわけビットコインはテクニカルよりもファンダメンタルズに左右される展開が続くと思われる。年末に向けて保有資産を決済する動きも出てくるので、油断は禁物だ。
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