【島根県海士町】エフェクチュエーション × DAOで地域の担い手を育成

JinaCoin編集部
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島根県海士町(あまちょう)では、起業家の意思決定理論「エフェクチュエーション」に基づいた人材育成プロジェクトが2025年7月より始動しました。関係人口や滞在人口が地域と共創する新しい仕組みとして、DAO(分散型自律組織)やブロックチェーン技術も導入され、注目を集めています。

島根県海士町とは?

島根県海士町とは?
出典:AMA TOWN

海士町は、島根県隠岐諸島に位置する人口約2,200人の離島です。古くから半農半漁の暮らしが根付き、日本海に浮かぶ島として独自の文化を育んできました。

一方で、若者の都市部への流出や高齢化といった課題にも直面しています。こうした状況を受け、海士町では「大人の島留学」や「海士町オフィシャルアンバサダー制度」など、島外の人材と地域をつなぐ取り組みを進めてきました。

島前ふるさと魅力化財団とは?

島前ふるさと魅力化財団とは?
出典:島前ふるさと魅力化財団公式サイト

今回のプロジェクトを主導するのは、2014年に設立された「一般財団法人 島前ふるさと魅力化財団」です。海士町に拠点を構え、教育や人材育成を通じた地域活性化に取り組んでいます。

これまでも「大人の島留学」などの事業を通じて、島内外の若者が地域に関わる仕組みを整えてきました。今回のプロジェクトでは、関係人口や滞在人口が地域課題の解決に主体的に取り組めるよう、実践的なスキル習得を支援します。

「エフェクチュエーション人材育成プロジェクト」とは?

「エフェクチュエーション人材育成プロジェクト」とは?
出典:PR TIMES

このプロジェクトは、起業家の意思決定理論「エフェクチュエーション」を地域づくりに応用し、海士町に関わる人々を自律的に活動できる“中核人材”として育成する取り組みです。

対象となるのは、海士町の「大人の島留学生」や「オフィシャルアンバサダー」といった滞在人口・関係人口です。7月20日には神戸大学大学院の吉田満梨准教授による講演会が海士町で開催され、プロジェクトが本格始動しました。

プロジェクトでは、海士町版エフェクチュエーションの評価指標(ルーブリック)を作成するとともに、参加者向けの研修プログラムを実施。さらに、「株式会社スナックレモネード」が運営するオンラインコミュニティを通じて、研修後の継続的な支援も提供されます。

また、参加者の活動や地域貢献を可視化・評価する仕組みとして、2024年11月から「Amanowa DAO(アマノワ・ダオ)」の構築と運用が始まっています。Amanowa DAOでは、海士町オフィシャルアンバサダーや大人の島留学生の貢献活動をブロックチェーン上に記録し、その貢献度に応じて、DAO内での意思決定に参加する権限が高まるほか、特典も提供される仕組みとなっています。

単なる座学ではなく、参加者が実際の地域課題に向き合い、具体的なプロジェクトや事業創出に挑戦する実践的なプログラムです。

今後の展開と期待

今後は、エフェクチュエーションの研修を受けた参加者が、実際の地域課題解決プロジェクトに挑戦しながら、実践的なスキルを身につけていきます。また、Amanowa DAOを通じた活動の記録と可視化により、関係人口の地域参画がさらに促進される仕組みも整いつつあります。

年度末には、参加者による成果報告会も予定されています。

おわりに

海士町では、起業家の意思決定理論「エフェクチュエーション」を地域づくりに応用し、関係人口や滞在人口が主体的に関わる新しい人材育成の仕組みを構築しています。Amanowa DAOによるブロックチェーン技術の導入と組み合わせることで、地域外の人材が継続的に関与できる基盤も整いつつあります。

離島という制約をチャンスに変えるこの取り組みは、今後の地方創生や関係人口政策における先進事例として注目されるでしょう。

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