2025年大阪・関西万博が開催されているなか、地域と未来技術を結びつけた新たな取り組みが大阪・泉州エリアで進んでいます。「万博首長連合」が主導し、「南海電鉄」や「KIX泉州ツーリズムビューロー」、ブロックチェーン企業「HashPort(ハッシュポート)」などが連携。NFT(非代替性トークン)を活用した観光イベント「泉州周遊NFTスタンプラリー」を実施しています。
泉州エリアとは?

大阪府南部に位置する泉州地域は、堺市、岸和田市、泉佐野市など、歴史と文化、自然が豊かなまちが集まるエリアです。だんじり祭りや伝統工芸、海や温泉といった観光資源も豊富で、古くから地域の魅力が受け継がれてきました。
一方で、泉州地域では少子高齢化や都市部への人口集中により、地域の活力低下が課題となっています。観光でも、訪問が一部のスポットに偏りやすく、周辺地域に足が向きにくい傾向があります。こうした中、地域全体を巡るきっかけとして、NFT技術を活用したスタンプラリーが企画されました。
万博首長連合とは?

「2025年日本国際博覧会とともに、地域の未来社会を創造する首長連合(通称:万博首長連合)」は、全国の自治体が連携し、大阪・関西万博をきっかけに地域の魅力を発信しようと設立されたネットワークです。
地域と企業、万博という大きなテーマをつなぎながら、全国でさまざまなプロジェクトを展開しています。「泉州周遊NFTスタンプラリー」も、その活動の一環として位置づけられています。
「泉州周遊NFTスタンプラリー」とは?

「泉州周遊NFTスタンプラリー」は、2025年5月28日から7月31日まで開催されている観光促進イベントです。泉州地域に点在する観光施設を巡ってNFTスタンプを集めながら、デジタルとリアルが融合した新しい観光体験を楽しめます。
スタンプラリーの仕組みは「EXPO2025デジタルウォレットアプリ」を通じて提供され、対象施設に設置されたQRコードを読み取ることでオリジナルNFTスタンプを獲得。3カ所以上のスタンプを集めると、「LOCAL JAPAN展NFT」を取得できます。
このNFTを提示することで、万博入場チケットの抽選応募や、「LOCAL JAPAN展」での先着特典(200名へのお土産プレゼント)など、具体的な参加特典が用意されています。
携わる企業とその役割

「泉州周遊NFTスタンプラリー」は、企業と地域団体が連携して取り組むプロジェクトです。
泉州地域の交通を支える「南海電鉄」は、地域内の移動手段や観光ルートの整備を通じて、スタンプラリー全体の設計に関わっています。
「KIX泉州ツーリズムビューロー」は、地域の観光団体として、参加施設の選定や情報発信など、プロジェクト全体の調整役を担っています。
また、「EXPO2025デジタルウォレットアプリ」を手がける「HashPort」は、NFTの発行やアプリの開発を通じて、スタンプラリーの技術面を支えています。
どんな仕組み?

スタンプラリーの参加方法はシンプルです。専用アプリをダウンロードし、泉州地域内の13カ所の観光スポットから3カ所以上を訪れてNFTスタンプを集めます。
NFTスタンプを集めることで以下のような特典が得られます。
- 【限定】LOCAL JAPAN展NFTの取得
- 大阪・関西万博入場チケット(ペア)の抽選参加(100組200名、応募は6月30日まで)
- 万博会場でのお土産プレゼント(7月28日〜31日、先着200名)
- 「ミャクミャクリワードプログラム」連動によるexpポイントの獲得(NFT5種で10,000exp)
今後の展開と期待
NFTを観光の証として活用する今回のスタンプラリーは、地域内の周遊を促し、関係人口の創出にもつながる可能性があります。また、スタンプラリーという形式は、季節ごとの地域イベントや複数の自治体をまたぐ観光企画など、他地域にも展開しやすく、今後の観光施策としての活用が期待されています。
おわりに
「泉州周遊NFTスタンプラリー」は、地域の魅力をめぐる体験にデジタルの楽しさを加えることで、観光に新たな選択肢を生み出しています。難しさを感じさせず自然に技術に触れられるこの取り組みは、地域との新しい関わり方を広げていきそうです。