Mantle(マントル:MNT)は高速処理と低コストを強みに持つ「Mantle Network(マントル・ネットワーク)」のネイティブトークンです。Mantle Networkはイーサリアムのレイヤー2として存在感を強めており、そのトークン動向にも注目が集まっています。
本記事ではMNTの基本情報から最新動向、将来性までをわかりやすく解説します。
クイックテイク
- Mantle (MNT) はイーサリアムの課題解決を目指す「Mantle Network」のネイティブトークン
- モジュラー型アーキテクチャとZKロールアップ技術で高速・低コストな取引処理を実現
- MNTはネットワーク手数料の支払いやガバナンスをはじめとしたユーティリティを持つ
- 中央集権取引所へのトークンの偏り、クジラへガバナンスが集中するリスクに注意が必要
- Bybitとの共同ロードマップ発表により、MNTの多様なユーティリティの拡大が期待できる
MNT(Mantle Network)とは?
トークン名 | Mantle(マントル) |
ティッカーシンボル | MNT |
トークンセクター | レイヤー2 |
対応ブロックチェーン | Mantle Network、Ethereum、HyperEVM |
発行上限枚数 | 6,219,316,795 MNT |
現在価格 | 232.29円 |
時価総額 | 755,653,265,214円 |
時価総額ランキング | 29位 |
上場済みの取引所 | Bybit・MEXC・KuCoin・Zoomex |
Mantle(MNT/マントル)はイーサリアムのレイヤー2である「Mantle Network」のネイティブトークンです。
Mantle Networkはイーサリアムの課題であるスケーラビリティや高いガス代の解決のために開発されました。このネットワークは、取引実行や最終決済などの機能を独立した部分に分けるモジュラー型アーキテクチャと、複数の取引をまとめて処理するロールアップ技術を採用することで、効率的な運用を実現しています。
また、イーサリアムが持つ強固なセキュリティを受け継ぐことで、安全性の高い取引処理環境も実現。開発者ライクな環境の実現により、DEX(分散型取引所)やGameFiなど、多様なプラットフォームが構築されています。
MNTはネットワーク上の手数料支払い、プロジェクトの意思決定に参加するガバナンス等の機能を持ちます。マルチなユースケースを持ち合わせるMNTは、Mantleエコシステム基盤の根幹を担うトークンです。
Mantle Networkの歩み:主な出来事
Mantle Networkの主な出来事
- 2022年11月:BitDAOがMantle Networkの立ち上げを発表
- 2023年5月:BitDAOがMantle Networkへリブランディング
- 2023年7月:Mantle Networkのメインネットが稼働開始
- 2023年7月:投資ファンド「Mantle EcoFund」を立ち上げ
- 2023年9月:マルチシグ機能等の運用関連アップデートを実施
- 2023年12月:リキッドステーキングプロトコル「mETH Protocol」がローンチ
- 2024年4月:Rewards Stationを導入、ステーキングイベント開始
- 2024年7月:ビットコインと1:1でペッグされた「FBTC」がローンチ
- 2024年12月:TVL(預かり資産総額)が過去最高の23.6億ドルを突破
- 2025年3月:データ可用性レイヤー「EigenDA」の統合とメインネット稼働を発表
- 2025年6月:仮想通貨に特化したネオバンクをローンチ
- 2025年9月:仮想マシン「OP Succinct」へのメインネット移行を完了
Mantleは元々仮想通貨取引所「Bybit」の主導により誕生した「BitDAO」が前身のプロジェクトです。BitDAOが持つ資金力やコミュニティがそのまま引き継がれる形で、レイヤー2プロジェクトとして再出発しました。
メインネット立ち上げ以降、マルチシグやリワード機能を実装し、機能性とユーザー還元を強化。特に2023年後半からはmETH ProtocolやFBTCなどのローンチを通じて、プロトコルや仮想通貨の基盤としても注目されました。
直近では最新技術「OP Succinct」への移行により、従来のOptimisticロールアップからZKロールアップへ移行。出金スピードと安全性の向上、証明コストの削減を通じ、ユーザー・開発者ともに理想的なレイヤー2へと進化しています。
MNTのトークノミクスとホルダー分析
ここでは、MNTのトークン提供モデルとホルダー構成などから、市場への影響と将来性を考察します。
総供給量と流通状況
MNTのトークン供給
- 総供給量:6,219,316,794 MNT
- 流通供給量:3,252,944,055 MNT
MNTの総供給量と流通状況は上記のとおりです。トークンのおよそ51%が市場に流通しており、残りのMNTはMantleのトレジャリーによって保管されています。
保管されているMNTは、ネットワーク運営や開発者への助成金、マーケティングなどに活用される予定です。長期的なトークン成長計画のため、MNTはガバナンス提案に基づいて市場供給される仕組みになっています。
トークンの初期配布
初期配布ではMantleトレジャリーと市場循環に二分されており、チームや貢献者への配分はありません。トークンベスティングについては、段階的なロック解除ではなくガバナンス提案によって進められます。
現状の流通量からすると多少のMNTがトレジャリーから放出されていますが、現状のトークン配分は初期配布と大きく差がありません。将来的なエコシステム成長や運営方針により、今後このトークン配布状況が市場循環に傾いていく可能性があります。
上位ホルダー構成と保有割合
執筆時点でのMNTの総ホルダー数は27,112、上位10ホルダーの合計保有量は64,757,776 MNTです。この保有量のうち50%以上がBybitによって占められ、中央集権的な管理下にあります。
次点では、Mantleトレジャリーといったエコシステムやクジラ(大口投資家)による保有が目立ちます。なお、上位ホルダーの保有量のうち、12.96%はBITがMNTに変換される際にバーン(焼却)されているため機能していません。
トークン総評
MNTは初期配布の透明性が高く、供給管理がガバナンス主体で進められている点では健全性が高いと言えます。段階的なロック解除と比較しても供給過多を防ぎやすいため、トークン価値の安定化に期待が持てるでしょう。
チームや初期貢献者への配布が見られない点は、コミュニティ主導のプロジェクトとしての側面を強調しています。この体制の持続がエコシステム参加者の促進とともに、トークン需要を高めるきっかけにもなり得ます。
また、MNTはデフレモデルのトークンではないものの、過去にガバナンス提案によってバーンが実施されています。MNTがデフレモデルを導入するとなれば、市場でのトークン価値や希少性はさらに高まりそうです。
しかし、上位ホルダーの偏りは中央集権的なリスクやガバナンスの集中リスクを招きかねません。MNTがより多くのホルダーに分散していけるかは、これからの価格動向にも少なからず影響する要素になります。
MNTのユースケースと注目ポイント
ここでは、MNTのユースケースと今後の成長を左右する重要なポイントについて解説します。
ユースケース:Mantle Network上でのユーティリティ
MNTはMantle Networkのネイティブトークンとして機能し、以下のようなユーティリティを持ちます。
MNTのユーティリティ
- ネットワーク手数料の支払い
- ガバナンスへの参加(投票権)
- dAppsでのステーキング
- エコシステムにおける報酬
MNTはMantle Networkを支えながら、ガバナンスの実現やエコシステムの活性化に貢献するトークンであると言えます。MNTの価値がMantle Networkの成功と直接的に結びついているといっても過言ではありません。
ユーザーや開発者にとっても利点のあるMNTは、エコシステムの健全な発展を後押しします。Mantle Networkがより多くのユーザー・開発者を獲得し、今後も成長を続けていけば、MNTにも今以上の需要拡大が期待できます。
注目ポイント①:Mantle Networkの高い柔軟性・汎用性
Mantle Networkは様々な分野におけるdApps基盤として活用が進んでいます。その高い柔軟性や汎用性から、以下のようなWeb3分野を代表するプラットフォームやプロトコルが立ち上がっています。
Mantle Network基盤のdApps
- DEX:Merchant Moe、ODOS、FusionX
- レンディング:INIT Capital、Compound Finance、Demex
- オラクル:Chronicle Protocol、Pyth、RedStone
- GameFi:MetaCene、Spot Zero、L3E7
Mantle Network上にはすでに105のdAppsが展開しており、プラットフォーム基盤としての頭角を見せつつあります。AIやDePINといった先進的な分野での活用も加速すれば、MNTのユースケースはより拡大していくでしょう。
注目ポイント②:Rewords Stationを通じたインセンティブ
Mantle Rewords Stationは、MNT保有者へのインセンティブを目的としたプラットフォームです。ユーザーはMNTのステーキングにより、その期間に応じた「MNT Power(ポイント)」を獲得できます。
自身に割り当てられたMNT Powerに応じて、ユーザーは報酬プールからリワードを請求できます。これまで、以下のようなMantleエコシステムで展開する仮想通貨がリワードとして用意されてきました。
Rewords Stationの過去のリワード例
- mETH Protocol:200,000,000 COOK
- IntentX:1,000,000 INTX
- UXLINK:1,000,000 UXLINK
- EIGEN:570,000 EIGEN
ステーキングという新たなユーティリティは、MNTの保有価値向上に貢献します。単に保有するだけでなく、ステーキングによるインセンティブの提供により、ユーザーはMNTエコシステムを活用しながら収益効率を高められます。
また、魅力的なインセンティブを提供するステーキングは、MNTの長期的なロックを後押しする要素です。MNTのステーキングが促進されることで、MNTの長期的な売り圧の軽減やトークン価値の安定化が期待できます。
Mantle Networkの今後の展望・MNTの将来性
Mantle Networkは公式のロードマップの他、Bybitと共同のロードマップも展開しています。ここではそれぞれのロードマップを基に、Mantle NetworkやMNTの将来性を深掘りします。
Mantle Networkのロードマップ
Mantle Networkは2025年に入り、機能展開やセキュリティ強化、イーサリアムの「Pectra」アップグレードへの対応などを進めてきました。そして、第3四半期以降もさらに積極的なネットワーク改善を図る予定です。
2025年のロードマップ
- 2025年第3四半期:プルーフシステムの展開と応用模索
- zkVMベースのプルーフシステムのテストネット立ち上げ
- ZK技術を活用した「チェーン抽象化」の実験を開始
- 2025年第4四半期:チェーン抽象化の強化・開発者エコシステムの拡大
- チェーン抽象化機能を検証し、さらなるユーザー体験の向上
- 開発者ツールやドキュメント整備で開発者エコシステムを発展
Mantle Networkは「ユーザーの利便性・開発者の使いやすさ・ネットワークセキュリティ」の三本柱でネットワークの進化を目指しています。イーサリアム本体との同期も保ちながら、ZK技術やチェーン抽象化という最新技術を活用することで、競合レイヤー2との差別化を図ろうという狙いです。
上記のロードマップを基にレイヤー2としての存在感が強まれば、さらなるネットワーク参加者の拡大に繋がるでしょう。MNTの実需拡大や長期的な価格形成は、「レイヤー2としての成長」の延長線上にあると言えます。
Mantle × Bybitの共同ロードマップ
2025年8月に発表したBybitとの共同ロードマップでは、Mantle Networkをレイヤー2インフラとして一層加速させ、MNTをWeb2・Web3を結びつける架け橋にすることを掲げています。
このロードマップでは、MNTの利用価値を「買う・使う・持つ・稼ぐ」の4つのカテゴリーで段階的に拡張していく計画が示されています。具体的な内容は以下のとおりです。
具体的なロードマップ
- 買う
- 現物取引やOTC取引、自動投資botでMNT購入に対応
- 割引価格でMNT購入が可能な「Discount Buy」の開始
- 使う
- 現物取引におけるペアが4種類から20種類に拡大
- MNTを取引手数料支払いに利用可能に
(現物:25%OFF、先物:10%OFF) - 将来的にオプション取引やVIPイベントでもMNTの利用に対応
- 持つ
- 最大8倍のレバレッジ、固定期間ローンの延長(機関投資家限定)
- VIPレベルの早期レベルアップ、Bybitカードでのキャッシュバック増額
- 稼ぐ
- 固定期間ステーキングの開始、新規トークンローンチの割り当てを増加
- フレキシブルステーキング、流動性マイニング等でもMNTの運用に対応
上記のとおり、機関投資家から個人まで幅広い層による快適なMNTの利用環境がBybit上で構築される予定です。日々の取引や決済、資産運用など、MNTの積極的な利用が今後さらに加速していくことが期待されます。
Bybitとの深い連携は、既存の仮想通貨コミュニティをMantle Networkに引き込むための重要なターニングポイントと言えるでしょう。この連携によって、MNTのユーティリティと需要が劇的に高まる可能性が考えられます。
MNTの購入方法と取扱取引所
MNTは執筆時点で、国内の仮想通貨取引所に上場していません。そのため、購入を進める際は以下の海外仮想通貨取引所の利用が必須です。
上記の海外仮想通貨取引所でMNTを購入する際は、まず国内仮想通貨取引所での元手通貨購入が必要です。MNT購入までの具体的な流れは以下を参照してください。
MNT購入までの流れ
- 国内仮想通貨取引所の口座開設
- 国内仮想通貨取引所へ日本円を入金
- 元手となる通貨(BTCやETHなど)を購入
- 海外仮想通貨取引所の口座を開設
- 国内取引所から海外取引所へ元手通貨を送金
- 元手通貨でUSDT(Tether)を購入
- USDTでMNT(Mantle)を購入
以上のステップを踏むことで、海外仮想通貨取引所でMNTを購入できます。購入を検討している方は、ぜひ上記の手順を参考にしてみてください。
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Bybitの詳細はこちら→Bybit 評判・特徴
まとめ
Mantle (MNT) は、イーサリアムの課題を解決するために開発されたレイヤー2「Mantle Network」のネイティブトークンです。モジュラー型アーキテクチャや最新のZKロールアップ技術を採用し、高速かつ安価な取引を実現しながら、イーサリアムの強固なセキュリティを継承しています。
MNTはネットワーク手数料の支払いやガバナンスへの参加、ステーキング報酬など、エコシステムを支える重要な役割を担います。特にMantleとBybitの共同ロードマップは、MNTの多様なユースケースを広げ、その需要を劇的に高める可能性を秘めています。
今後は、Mantle Networkの技術改善やレイヤー2としての台頭がMNT価格に大きく影響してくるでしょう。ただし、上位ホルダーや流通動向を加味し、投資する際は慎重に判断することが重要です。