米エクソダス、Q3純利益20倍超──BTC・ETH評価益拡大、グレイトフル買収

水澤 誉往
13 Min Read
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Highlights
  • 売上高が前年同期比51%増の3,030万ドル、純利益は2,025%増の1,700万ドル
  • 取引処理高が前年同期比82%増の17.5億ドル、資金調達済みユーザー数は20%増
  • ステーブルコイン決済オーケストレーターのグレイトフルを買収、マーチャント向けサービス強化

米暗号資産(仮想通貨)セルフカストディプラットフォームのExodus Movement, Inc.(エクソダス・ムーブメント、NYSEアメリカン:EXOD)は10日、2025年9月30日を期末とする第3四半期の未監査決算を発表した。売上高が前年同期比51%増の3,030万ドル、純利益は2,025%増の1,700万ドルと大幅な増益を記録した。

同時に、同社はマーチャント向けステーブルコイン決済オーケストレーターのGrateful(グレイトフル)を買収したことも発表。低手数料、即時資金アクセス、残高への利回り提供を実現する決済サービスを統合する。

売上高51%増、純利益は20倍超に

2025年第3四半期の主要財務指標:

  • 売上高:前年同期比51%増の3,030万ドル(2024年第3四半期は2,010万ドル)
  • 純利益:前年同期比2,025%増の1,700万ドル(同80万ドル)
  • デジタル資産評価益:2,100万ドル(前年同期は40万ドルの損失)

純利益が20倍を超える急増を記録した主な要因は、保有するデジタル資産の評価益が大幅に拡大したことによる。

保有資産(2025年9月30日時点):

  • デジタル資産・流動資産合計:3億1,470万ドル
  • ビットコイン:2,123 BTC(2億4,240万ドル相当)
  • イーサリアム:2,770 ETH(1,150万ドル相当)
  • 現金・現金同等物・USDC・財務省証券:5,080万ドル

ビットコインとイーサリアムの価格上昇が、同社のバランスシートを大きく強化している。

取引処理高82%増、資金調達済みユーザー20%増

第3四半期の業務ハイライト:

取引処理高:
前年同期比82%増、前四半期比27%増の17.5億ドル。主要取引資産は以下の通り:

  • ビットコイン(BTC):16%
  • テザー(TRXネットワーク):13%
  • テザー(ETHネットワーク):13%
  • イーサリアム(ETH):11%
  • USDC:6%
  • ソラナ(SOL):6%

ユーザー指標:

  • 月間アクティブユーザー:150万人(前年同期比6%減)
  • 四半期資金調達済みユーザー:180万人(前年同期比20%増)

月間アクティブユーザーはやや減少したものの、資金調達済みユーザー(実際に資金を預けているユーザー)は大幅に増加しており、エンゲージメントの質が向上している。

グレイトフル買収でステーブルコイン決済に参入

エクソダスは同日、ステーブルコイン決済オーケストレーターのグレイトフルを買収したと発表した。グレイトフルは、マーチャント向けに低手数料、即時資金アクセス、残高への利回りを実現する決済プラットフォームを提供している。

共同創業者兼CEOのJP・リチャードソン氏は、「ステーブルコインとデジタル資産担保金融の革命における次の論理的なステップは、ステーブルコインベースの決済の利点を消費者とマーチャント、特に新興市場の十分なサービスを受けていない地域に拡大することだ。グレイトフルの買収により、当社のミッションと一致する技術と理念を持つチームを獲得した」と述べた。

CFOのジェームズ・ガーネツキ氏は、「特にラテンアメリカなどの新興市場でサービスを拡大しユーザーベースを成長させるため、グレイトフルは論理的なパートナーであり買収対象だった。彼らの製品を当社の技術スタックに迅速に統合できることを楽しみにしている」と語った。

この買収により、エクソダスは暗号資産ウォレットとカストディサービスに加えて、マーチャント向け決済ソリューションへと事業領域を拡大する。ステーブルコインを活用した低コスト・高速決済は、特に従来型決済インフラが十分でない新興市場で需要が高まっている。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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