宮城県東松島市では、NFT(非代替性トークン)を使った観光体験プロジェクト「地上のブルーインパルス~NFTクエストin東松島~」が始まります。「日本郵便株式会社」との連携で、市内をめぐるスタンプラリー形式の企画が2025年8月1日からスタート。訪れた人が地域とのつながりを感じられる、新しい形の取り組みです。
東松島市とは?

東松島市は、宮城県の東部に位置する、松島湾や太平洋に面した自然豊かなまちです。なかでも有名なのが、航空自衛隊の「ブルーインパルス」。その本拠地である松島基地があることから、航空ファンにも広く知られています。
夏には「松島基地航空祭」や「東松島夏まつり」などのイベントが開かれ、毎年多くの人が訪れます。一方で、観光のリピーター化や継続的な関係づくりといった課題は、かねてより地域の悩みのひとつとされてきました。
こうした課題に向き合いながら、地域の魅力を伝え続けているのが「株式会社東松島観光物産公社」です。地元の特産品や観光資源を活かした活動を続けており、今回のプロジェクトにも連携機関として参加しています。
日本郵政グループとは?

郵便や物流、金融サービスなどを全国で展開している「日本郵政グループ」は、地域とつながる活動にも力を入れてきました。近年は、自治体や地域企業と協力しながら、新しい事業づくりに取り組む「ローカル共創イニシアティブ」にも力を入れています。
今回のプロジェクトもその一環で、日本郵便株式会社が中心となって企画・実施を担っています。
「地上のブルーインパルス~NFTクエストin東松島~」とは?

このプロジェクトは、NFT技術を使いながら東松島市の魅力を体験できるデジタルスタンプラリーです。観光スポットやブルーインパルス柄の郵便ポストなどを訪れて、設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、NFTを受け取ることができます。
集めたNFTの数や種類に応じて、地域施設で使える割引特典なども用意される予定です。また、NFTの保有者には今後のイベント情報が配信されるなど、一度きりの訪問で終わらない、地域との継続的なつながりが生まれるような仕掛けになっています。
この企画は、2025年8月1日から9月30日まで実施。東松島市制施行20周年と、オリジナルフレーム切手「Blue Impulse 2025」の発売にあわせて展開されます。
プロジェクトの仕組み

参加方法はとてもシンプルです。LINEアカウントがあれば、事前の登録は不要。チラシや公式ページに記載されたQRコードからLINEの専用ページにアクセスし、公式アカウントを友だち追加することでNFTを受け取ることができます。
NFTが配布されるスポット
- 市内観光地
- 「道の駅 東松島」などの商業施設
- ブルーインパルス柄で装飾された郵便ポスト(6カ所)
さらに、フレーム切手「Blue Impulse 2025」(全361局で販売)の購入者には、限定NFTが配布されます。
なお、NFTの発行には「SUSHI TOP MARKETING株式会社」の「トークングラフマーケター」技術が活用され、参加者はウォレット等を準備する必要なく、手軽に受け取ることができます。
今後の展開と期待
本プロジェクトは2025年9月末までの期間限定ですが、日本郵政グループでは、この取り組みの結果をふまえ、他地域への展開や、自社サービスとの取り組みも視野に入れています。郵便局のネットワークや地域との接点を活かした観光支援のモデルとして、今後の広がりが注目されます。
また、NFTによって利用者の来訪や関わりをデータとして可視化できる点は、今後の観光施策や関係人口を創出していく上でも応用できると期待されています。
おわりに
「地上のブルーインパルス~NFTクエストin東松島~」は、地域が持つ資源とデジタル技術を組み合わせることで、訪問者と地域との新しい接点を生み出す取り組みです。NFTを通じて来訪の記録や関係性を「証」として残すこの仕組みが、観光をきっかけに地域との関係が続いていくきっかけになりそうです。