福岡県八女市の伝統産品「八女茶」を対象に、地域産業の国際展開を支援する新たな取り組みが始まりました。九州大学発のスタートアップ企業「株式会社aiESG(アイエスジー)」は、AIやブロックチェーンを活用したESG(環境・社会・ガバナンス)評価の手法を紹介するセッションを、9月11日に福岡市のスタートアップ支援施設「CIC Fukuoka」で開催します。
八女茶が抱える現状と課題

八女茶は日本有数の高級茶ブランドとして国内外で高く評価されています。しかし、生産基盤の高齢化や国際市場での競争力強化といった課題を抱えており、伝統を守りながら持続可能な産業成長を目指す必要があります。
aiESGとは?

aiESGは2022年7月設立の九州大学発スタートアップで、企業や製品の環境・社会・ガバナンス(ESG)の評価を専門としています。独自のプラットフォーム「aiESG Flow」を通じて、サプライチェーン全体を分析し、地域産業の持続可能性や国際競争力の向上を支援しています。
9月11日開催のセッション詳細

今回のプロジェクトでは、九州大学とaiESGが共同で八女市のお茶産業におけるESG評価・分析を実施し、国際基準に基づく評価を通じて八女茶の品質や生産過程の透明性を世界に示し、輸出やブランド価値の向上を目指します。
今回のセッション「グローバルなESG評価基準で地域産業の成長を後押し」では、八女市の簑原悠太朗市長、福岡銀行サステナビリティ推進グループの玉木令氏、九州大学准教授でaiESGチーフリサーチャーのキーリーアレクサンダー竜太氏、aiESGの関大吉CEOが登壇します。パネルディスカッションでは、AIやブロックチェーンを活用したESG評価の方法、金融機関が注目する地域産業の持続可能性、八女茶の海外市場でのブランド価値向上の可能性などについて議論されます。
イベント詳細
- 日時: 2025年9月11日(木)17:30~18:30
- 会場: CIC Fukuoka 6階イベントスペース(ワン・フクオカ・ビルディング内)
- 形式: パネルディスカッション
- 参加費: 無料
期待される効果と今後の展望
このプロジェクトにより、八女茶の国際市場での競争力向上や、環境負荷・社会貢献度の可視化、ESGを重視する投資家からの資金調達、ブランド価値向上が期待されます。地域産業の持続可能性や国際競争力向上のモデルケースとしても注目されています。
まとめ
八女茶の伝統とAI・ブロックチェーン技術を融合させたESG評価の取り組みは、地域産業の国際競争力向上と持続可能な成長モデル構築の新たな可能性を示しています。この事例は地方産業の革新的な事例として注目され、今後の他地域への応用も期待されます。aiESGの挑戦は、日本の地方創生における新しい事例となるでしょう。