仮想通貨XDCとは?
仮想通貨XDCとは、シンガポール拠点のXDC Network(旧XinFin Network)で使用される仮想通貨です。国際貿易と組織間決済の効率化を目的として開発され、特に「貿易金融」市場にフォーカスしたブロックチェーンプラットフォームです。
通常、国際貿易では複数の通貨を扱う必要があり、その都度両替作業が発生します。この「貿易金融」市場は年間約2,000兆円以上の規模と言われており、XDC Networkはブロックチェーン技術を活用してこの巨大市場の効率化に挑戦しています。
XDC Networkの設立背景
XDC Networkは2017年にシンガポールでAtul Khekade氏とRitesh Kakkad氏によって設立されました。Atul Khekade氏は主にテクノロジーとシステム開発を、Ritesh Kakkad氏は投資家および戦略分析家としてプロジェクトに携わっています。
さらに、Bitcoin.comのCEOやCOOもXDC Networkプロジェクトを支持しており、グローバルな影響力を持つプロジェクトとして注目を集めています。
イーサリアムとQuorumの技術を継承
XDC Networkは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンとQuorum(クォーラム)ブロックチェーンの2つの著名なプラットフォームから多くの機能を受け継いでいます。
具体的には、Quorumブロックチェーンのフォークとして誕生し、Quorum自体がイーサリアムのフォークであるため、XDC Networkはイーサリアムのパブリックチェーン機能とQuorumのプライベートネットワーク機能の両方を備えたハイブリッド型ブロックチェーンとなっています。
独自のXDPoSコンセンサスメカニズム
XDC Networkは独自のXDPoS(XinFin Delegated Proof of Stake)というコンセンサスメカニズムを採用しています。これにより、イーサリアムで問題となっていた送金速度の低下やガス代の高騰といった課題を解決しました。
XDPoSの特徴:
- 平均トランザクション確認時間:約2秒
- 処理速度:最大2,000 TPS(トランザクション/秒)
- 取引手数料:約0.00001ドル(イーサリアムの約1/100)
- EVM完全互換:イーサリアムのスマートコントラクトがそのまま利用可能
XDC Networkが注目される理由
公的機関・金融機関への強力なアプローチ
XDC Networkは政府機関や金融機関、保険会社などに対して、非常に効率的な決済手段を提供しています。
最大のメリットは、ERPシステムやSWIFT決済システムなどの既存の重要なシステムから、ISO20022電子データ交換基準を使ってブロックチェーンにデータを統合できる点です。
ERPシステムとは
ERP(Enterprise Resources Planning)とは、企業の基幹系情報システムのことで、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を最大限有効活用するためのシステムです。生産管理だけでなく、あらゆる企業活動で活用されています。
SWIFT決済とは
SWIFT決済とは、国際的な銀行間取引をネットワークを通じて送信する決済システムです。国をまたいだ銀行同士には共通の中央銀行が存在しないため、SWIFT(国際銀行間通信協会)のシステムを通じて決済が行われます。
1973年にベルギーで設立されたSWIFTは、2026年現在では200以上の国や地域の11,000社以上の金融機関が参加する巨大な国際金融インフラとなっています。日本の代表的な中継銀行は三菱UFJ銀行です。
ISO20022準拠の重要性
ISO20022は国際的な金融メッセージング標準規格で、多くの金融機関が組織間データのやり取りに使用しています。XDC NetworkがISO20022に準拠していることで、既存の金融システムとシームレスに統合できるという大きなアドバンテージがあります。
インド政府との実証実験
XDC Networkは実際にインド最大の州であるマハラシュトラ州政府に働きかけ、土地登記記録をXDC Networkのブロックチェーン上で実験的に運用する提案を行いました。これは政府機関がブロックチェーン技術を採用する先進的な事例として注目されています。
TFDイニシアチブとの提携
XDC Networkは組織間決済業務の効率化のために、TFD(Trade Finance Distribution)イニシアチブと提携しました。
TFDイニシアチブには以下のような著名な金融機関が参加しています:
- オーストラリアのABNアムロ銀行
- ドイツのメガバンクDeutsche Bank
- オーストラリア・ニュージーランド銀行
この提携により、TFDメンバーによる一部の業務やプロジェクトでXDC Networkが積極的に活用されることが期待されており、実際に中小企業向けのサプライチェーンファイナンスにXDC Networkが利用されています。
2025年の主要実績
2025年はXDC Networkにとって飛躍の年となりました:
- RWA(実物資産)トークン化
- RWAトークン化総額が7億1,700万ドルを突破
- 不動産、債券、コモディティなど多様な資産のトークン化に成功
- ステーブルコイン統合
- USDC、USDTなどの主要ステーブルコインと統合
- 企業向けステーブルコイン決済ソリューションの展開
- エンタープライズ採用拡大
- 貿易金融およびサプライチェーン分野での実用化が進展
- 国際決済ネットワークとの連携強化
- XDC Network 2.0発表
- スケーラビリティ向上
- Layer 2統合計画の発表
- セキュリティ強化
主要パートナーシップ
XDC Networkは以下のような重要なパートナーシップを構築しています:
- R3 Corda:エンタープライズブロックチェーンとの統合
- TradeFinex:貿易金融プラットフォーム
- ComTech Gold:金トークン化プラットフォーム
- Yodaplus:請求書ファイナンスソリューション
- ASSOCHAM(インド商工会議所):貿易金融デジタル化推進
XDC Networkのマスターノード
XDC NetworkのXDPoSは、マスターノードと呼ばれる強力なサーバーを用いて効率的に処理されています。マスターノードになるための特別な資格は必要ありませんが、以下の厳しい条件を満たす必要があります。
マスターノードの条件
- 最低1,000万XDCの保有(2026年1月時点で約52万ドル、約8,000万円相当)
- 必要なハードウェアとソフトウェアの準備
- 他のネットワークノードから上位50位以内の支持を獲得
2023年12月時点でXDC Networkのマスターノードは329人まで増加しており、ネットワークの分散化が進んでいます。
マスターノードの報酬
XDC Networkのマスターノードは、ブロック検証を行うことでXDCトークンを報酬として獲得できます。XDC Networkではセキュリティ強化のために二重検証ステップを採用しています。
検証プロセス:
- 最初のマスターノードがブロックを検証
- ランダムで選ばれた2番目のマスターノードが再検証
- 両方の検証が完了したブロックのみが台帳に追加
マスターノードになるハードルは高いため、一般のユーザーは特定のマスターノードに自分のXDCを委任(デリゲート)することで、そのマスターノードが獲得した報酬の一部を受け取ることができます。
仮想通貨XDCのメリット
強固なセキュリティとKYC対応
貿易と金融に特化したXDC Networkですが、セキュリティ面での強固さは決済速度や手数料の安さ以上に特筆すべき点です。
通常、銀行や取引所で口座を開設する際にはKYC(本人確認)が必須です。XDC NetworkはこのKYCをネットワーク利用者に義務付けることで、仮想通貨の匿名性を一部犠牲にする代わりに、セキュリティ面を大幅に強化しました。
これは利便性が若干損なわれる一方で、金融機関や企業にとっては非常に安心できる要素となっています。
DASL(デジタル資産共有台帳)の採用
XDC NetworkはDASL(デジタル資産共有台帳)を使用し、R3社が開発したブロックチェーンプラットフォーム「Corda」と連携しています。
Cordaの強固なセキュリティと高い透明性、そしてXDC Networkのパブリックチェーンとの融合により、エンタープライズレベルの信頼性が実現されています。
EVM完全互換
XDC NetworkはEVM(Ethereum Virtual Machine)と完全互換です。これにより、イーサリアムで開発されたスマートコントラクトやDAppsをそのままXDC Network上で動作させることができます。開発者にとっては既存の知識とツールをそのまま活用できるため、参入障壁が非常に低くなっています。
RWA(実物資産)トークン化のリーダー
XDC Networkは2025年にRWAトークン化市場で大きな実績を上げました。不動産、債券、コモディティ、インフラなど、従来は流動性が低かった実物資産をトークン化することで、24時間365日取引可能な市場を創出しています。
2030年までにRWA市場は30兆ドル規模に成長すると予測されており、XDC Networkはこの巨大市場の中核インフラとなる可能性を秘めています。
仮想通貨XDCの懸念材料
マイニング(ステーキング)参加のハードルが高い
XDC Networkには一般的な仮想通貨のようなマイナーは存在せず、代わりに「マスターノード」が存在します。
しかし、マスターノードになるには最低でも1,000万XDC(2026年1月時点で約8,000万円相当)が必要であり、一般の個人投資家にとっては非常に高いハードルとなっています。
これは裏を返せば、マスターノードの数が限定されることでネットワークの効率性が保たれているとも言えますが、分散性の観点からは課題となる可能性があります。
2026年2月のトークンアンロックによる価格への影響
2026年2月5日に約5.36%のトークンアンロックが予定されています。大量のトークンが市場に流入することで、短期的に価格が下落する可能性があります。
ただし、これは一時的な影響であり、長期的なプロジェクトの成長には影響しないと見られています。
競合プロジェクトの存在
XDC Networkは国際決済とRWA市場で優位性を持っていますが、以下のような競合プロジェクトも存在します:
- リップル(XRP)
XRP:国際送金に特化 - ステラ(XLM)
XLM:個人間送金に強み - ヘデラ(HBAR)
HBAR:エンタープライズ向けDLT - クアント(QNT)
QNT:クロスチェーン相互運用性
これらのプロジェクトとの差別化を継続的に図る必要があります。
新技術の登場リスク
仮想通貨業界では日々新しい技術が登場しています。現在は注目を集めているXDC Networkですが、今後これを凌駕する新しいブロックチェーンプラットフォームが登場しないとも限りません。
上位互換が出てくる前に市場での地位を確立し、第一人者となれるかどうかが今後の鍵となります。
XDC Networkの2026年ロードマップ
2026年第1四半期(Q1)
- 2月5日:トークンアンロック
- 約5.36%のトークンが市場に放出予定
- 短期的な価格変動の可能性
- Layer 2スケーリングソリューション導入
- トランザクション処理能力のさらなる向上
- 手数料のさらなる削減
- クロスチェーンブリッジ強化
- 他のブロックチェーンとの相互運用性向上
- 資産の移動がよりスムーズに
2026年第2〜4四半期(Q2〜Q4)
- RWA市場規模の拡大
- 2030年までに30兆ドル市場を目指す
- 不動産、債券、コモディティのトークン化加速
- 機関投資家向けDeFiソリューション展開
- エンタープライズグレードのDeFiプロダクト
- 規制準拠型のデジタル資産管理
- CBDC(中央銀行デジタル通貨)統合実験
- 各国中央銀行とのパイロットプログラム
- CBDCインフラとしての実証
- 国際決済ネットワーク拡大
- ISO20022準拠の国際送金ネットワーク構築
- SWIFTシステムとの連携強化
- 貿易金融デジタル化推進
- 貿易書類のデジタル化とブロックチェーン記録
- サプライチェーンファイナンスの効率化
長期ビジョン(2027年以降)
- RWAトークン化のグローバル標準
- 不動産、債券、インフラ、コモディティなどあらゆる実物資産のトークン化
- 世界中の資産を24時間365日取引可能に
- ISO20022グローバル決済ネットワーク
- 国際送金の主要インフラとしての地位確立
- 銀行間決済のデファクトスタンダード
- CBDCバックエンドインフラ
- 各国中央銀行のデジタル通貨インフラを提供
- 国家レベルのデジタル金融基盤
- エンタープライズDeFi
- 企業向け分散型金融ソリューションの標準化
- 規制準拠型の次世代金融システム
- サプライチェーン透明化
- グローバルサプライチェーンの完全デジタル化
- トレーサビリティの確保
仮想通貨XDCの将来性は?
過去の価格推移
仮想通貨XDCは2021年に最高約20円近い価格をマークしました。これはDeFiバブルでの高騰と言われており、その後価格は落ち着きました。
現在では
XDCで推移しています。
2026年以降の価格予測
複数のアナリストやメディアが仮想通貨XDCの価格を予測していますが、多くは保守的な見方をしています。しかし、私はより強気な見方をしています。
保守的な価格予測:
- 2026年:$0.05〜$0.15(約8円〜23円)
- 2027年:$0.10〜$0.20(約15円〜31円)
- 2030年:$0.20〜$0.50(約31円〜77円)
強気な価格予測:
- 2026年:$0.10〜$0.20(約15円〜31円)
- 2027年:$0.30〜$0.50(約46円〜77円)
- 2030年:$1.00以上(約153円以上)
なぜ価格上昇が期待できるのか?
理由1:大手取引所への上場余地
2024年11月にSBI VCトレードに上場しましたが、世界的な大手取引所(Binance、Coinbaseなど)にはまだ上場していません。大手取引所に上場するだけで価格が急騰した仮想通貨は過去に数多く存在します。
理由2:RWA市場の爆発的成長
RWA(実物資産)トークン化市場は2030年までに30兆ドル規模に成長すると予測されています。XDC Networkはこの市場で既に7億ドル以上の実績を持ち、リーディングポジションにあります。
理由3:ISO20022準拠の希少性
ISO20022に準拠した暗号資産は限られており、XDCはその数少ない銘柄の一つです。2025年以降、世界中の金融機関がISO20022への移行を進めており、XDCの需要が高まる可能性があります。
理由4:エンタープライズ採用の加速
2025年には多くの企業や金融機関がXDC Networkを採用し始めました。2026年以降、この流れはさらに加速すると予想されます。
理由5:CBDC統合の可能性
各国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発を進める中、XDC Networkはそのバックエンドインフラとして採用される可能性があります。
投資判断のポイント
- 長期保有を前提とする XDCは短期トレード向けではなく、3〜5年以上の長期保有に適した銘柄です。
- 分散投資を心がける 全資産をXDCに投入するのではなく、ポートフォリオの一部として保有することをおすすめします。
- トークンアンロックに注意 2026年2月5日のアンロックで短期的に価格が下落する可能性があるため、その前後の動きに注意が必要です。
- ニュースを追い続ける 大手取引所への上場、主要企業との提携、CBDC関連のニュースは価格に大きな影響を与えます。